厚生労働省がたまごを1日2個以上食べてもOKといったのはホント?
確かに、コレステロールと動脈硬化はまったく無関係ではありません。血中コレステロール濃度が異常に高かったり、LDLコレステロールが酸化したりすると、リスクは出てきます。しかし、人間は草食動物ではないので、食事でコレステロールを摂取しても、健康体であれば、コレステロール濃度が一定の値までいったら、それ以上は上がらないようになっているのです。
2015年、厚生労働省は「日本人の食事摂取基準2015年版」で、それまで成人男性750㎎、成人女性600㎎を上限としていた食事からのコレステロール摂取目標量を撤廃しました。コレステロールについては、「食事摂取基準」ができた2004年から目標量を設けていたのですが、目標量を設定するのに十分な科学的根拠が得られなかったことから、撤廃に踏み切ったものです。
また、この「食事摂取基準」の検討委員会は、高齢者で摂取量を制限すると低栄養を生じる可能性があると、注意を喚起しているほどです。また、たまごのコレステロールに関しては、「各種の研究論文によって、たまごの摂取量と冠動脈疾患や脳卒中の死亡率、糖尿病有病率との関連は見出せない。1日にたまご2個以上摂取した群とほとんど摂取しない群との死亡率を比べても有意な差は認められない」と、たまごの適度な摂取をすすめているのです。