たまごは「生命を生み出すカプセル」だった!

通常、私たちが食べているたまごはほとんどが無精卵ですが、有精卵の場合、たまごからひなが生まれる過程で栄養を外部から取り込むことはありません。温めるだけでたまご自身に変化が起きて、ひなが誕生します。考えてみれば、これは大変なことで、生命を生み出すためのファクターがたまごのなかにすべてそろっているのですから、栄養がたっぷり詰まっているのもうなずけるわけです。
たとえば、ひなの神経や全身の細胞をつくるのに必要な脂質やタンパク質、骨格の形成に必要なカルシウムやリンなどのミネラル類をはじめ、ビタミン類も豊富に含まれています。特にこのなかで注目すべきはたんぱく質です。たんぱく質は20種類のアミノ酸の組み合わせでできていますが、このうち人間の体内で合成できない9種類のアミノ酸を必須アミノ酸と呼び、これは外部から食べ物として摂取する必要があります。
たまごは、この9種類の必須アミノ酸をバランスよく含んでいますから、文字どおりスーパーフードといってもいいのではないでしょうか。さて、このようにお話しすると、有精卵のほうが栄養価が高いように感じるかもしれませんが、分析の結果、有精卵と無精卵の栄養価にはほとんど差はありませんので、念のため。