キャリアアップ
たまごの一貫生産体制をつくりあげているトマルには、さまざまな仕事があります。では、入社したらどんな仕事を経験しながら、どのようにキャリアアップしていけるのでしょうか。実例を示しながら、シミュレーションしていくことにします。
生き物を相手にする仕事が面白そうと入社
大学時代、養鶏とはまったく縁のない勉強をしていましたが、動物が好きでいろいろな会社をリサーチするなかでトマルの存在を知ったのです。生き物を相手にして社会の役に立てる仕事だったら面白そう、と思ったのが入社のきっかけですね。
こうして最初に担当したのが育雛の仕事です。養鶏というとたいていの人は、大人になった鶏がたまごを産むシーンをイメージされると思いますが、これは生まれたばかりのひなを育てる仕事です。最初に餌と水を覚えさせるわけですが、このとき鶏舎のなかを33℃前後に保っておかないとひなは餌を食べてくれないので、1~2℃の温度管理にものすごく神経を使うのです。ここで、生き物を相手にする仕事の厳しさを味わうことになりました。
3年目くらいから自信がついてきた
生まれて50日齢になるくらいまでが育雛の仕事です。鶏は1羽1羽ではなく何羽かの群で管理していくわけですが、育雛の期間に各個体の大きさがほぼそろっていることが求められます。そのためには体重を量って餌を調整したりするのですが、入社3年目に入ってこんな微調整も上手くできる様になり、育雛という仕事に自信がついてきました。
1年目は何もわからず先輩についてゼロから学んでいったわけですが、2年間みっちりと経験を積んでいくなかで、自分なりに考えてやり方を工夫するといったことができるようになっていったのです。
それにひなはかわいいですし、目に見えて成長していきますから、これを見ているのは楽しいですね。こうして45~50日齢になると次の育成という段階になり、別の農場へひなを移動させることになります。
ひなをどこの農場で育成するかの計画も任せられる
入社5年目の4月からは、育成を行ういまの農場へ異動になりました。ここで産卵開始前の115から120日齢まで育てて、成鶏農場へ送り出すのです。育成の期間で500gくらいで農場に入ってきたひなが1200gから1500gくらいまで、あっという間に大きくなります。ひなのようすを見ながら餌の内容や量、水の量、鶏舎内の温度などをコントロールしていくのが仕事になります。
さらに場長代理になって任せられたのが、育雛場から育成場への移動計画を立てる仕事です。この段階で外部のお客さまにもひなを販売していますから、それを含めてトマルの育成場の各鶏舎の収容羽数や形状、環境などを考えあわせていつ、どの鶏舎に、何羽のひなを移動させるかの計画を立て、そのための車の手配を行っていくのです。
いまはトマルの育成の仕事全体をマネジメントする立場になったわけですが、これからも生き物と関われるこの仕事は、ずっと続けていきたいと思っています。